通りを歩いていると、街はずれに住むUさんに出会った。 彼は望遠鏡で星を眺めることが好きで
夕方暗くなってくるととてもワクワクするそうだ。 幸い今夜は天気も良く木星を覗き4つある衛星を
観察するんだと笑顔で話していました。
ヒマだったので彼をさそい、いつもの珈琲屋へ歩きドアを開けた。
ひとしきり お星さんの話を聞いたあとSNSの話に。
<Uさん>
SNSって宇宙空間のように果てのない世界みたいだと思っているんだ。
読む人も書く人も、しだいに仲間が増え広がっていくのは面白くてそりゃ楽しくなるよね。
ところで夜空に見える星たちの中で、太陽を中心にぐるぐる回っている地球は私たちのすみかだ。
考えてみれば SNSの広さは大きな宇宙空間。
その中で自分が読むSNSは、太陽を中心にまわっている太陽系と呼ばれる小さな空間みたいな
ものだと思わないかい。
そこでの有名人や人気者は、外にある別の〇〇系の生物や人間にとってみればただの人。
それどころか、そりゃなんじゃい? まったく知らないよという感じなんだよね。
お気に入りのSNSは、欲しい情報がすぐ手に入ったりしてとても役に立つけどその中だけにいれば
いいも悪いもこれがすべてと勘違いしちゃうときがあるんじゃないかな。
極端な言い方をすればこの「勘違いって怖い」よね。
…たしかに 私は少しぬるくなった珈琲をすすり相槌を打った。
Uさんは夜の準備があるらしく先に帰ることになり、
私はひとりぼーっとするのもなんなので近くにある
新聞に手をのばした。